足の骨
足の骨

前回の「足の親指でヨガのポーズを安定させる」に続いて、またまた足の話題です。足は、とっても大切なんです。

たとえば直立した時(山のポーズ)体の癖で右肩が左肩よりも下がっているとします。これを修正するために、右肩をただヒョイと上げただけでは、上っ面の変化だけで、またすぐに元に戻ってしまうでしょう。

体の内側から体全体のアライメントとして修正するには、右足の親指の付け根をしっかりと地面に踏み込んで、息を吸いながら右足から右肩までを引き上げます。このように上半身のアライメントの問題のように見えても体の地に着いている部分から正して行くことがとても大切です。建物が傾いた場合、まず土台がおかしいのでは?とチェックするのと同じです。

それでは本題です。

人類学で進化と二足歩行を勉強した時に学んだのですが、足は26の骨(28本ある人もいる)、33の関節からできています。

ではクイズです。チンパンジーはの足の骨はいくつでしょう?次を読む前に目をつぶって答えてください。

答えは人間と同じ26です。霊長類全ての足が26の骨でできています。少なく答えた人の方が多いのではないでしょうか。人とサルの違いは、人にのみ土踏まずがあるということ。そして歩く際に足のテコの梁として働く軸、機能軸が人の場合は親指に、サルの場合は中指や薬指にあります。

つまり足の骨の数は同じだけれども、その構造と支える筋肉と靭帯の違いによって(あくまでも足だけ見た場合ですが)二足歩行ができるか、できないかの違いになっているわけです。

サルの場合、足の人差し指と親指が離れていて別方向を向いていています。木に登る際には、親指と人差し指で木をつかんでスルスルと上っていきます。人間の場合は、親指と人差し指が同じ方向を向いていて、つかむ機能は失いましたが、歩行という機能を得ました。

(完全に余談になりますが、生まれてから数ヶ月の間、赤ちゃんは、原始反射の足底反射と言って足の裏を触ると足でつかもうとする反応をします。)

私がこのブログで、よく引用するアイアンガーヨガの創始者アイイアンガー師は「親指は脳」であると言っていましたが、さすがだと思います。

私の叔母が、脳梗塞になって17年もの長い間、患って亡くなったのですが、会いに行く度に小さく体が丸まって行き、最後は、足の指まで変形して丸まってしまっていました。

Use it, or lose it. 「使わなければ衰える。」

衰えないようにするには使うしかありません。

Happy Feet

ヨガをする前に、たとえばヨガスタジオでクラスが始まる前に、またはテレビを見ながら、Happy Feetという足のマッサージをする習慣をつけましょう。

  • 足の指を小指から一本一本手の親指と人差し指で引っ張りながら揉んで行きます。
  • 足と同じ側の手で足の中央部をつかみ、反対の手の指を足の指に絡ませて、ゆっくりとぐるぐると左右に5回ずつ回します。
  • さらに指を前に倒して5秒、後ろに倒して5秒。
  • 足をつかんでいた手に足の外側のくるぶしを乗せて、足首を左右に5回ずつ回す。手の指で足の指を広げるようにしながら、はずします。
  • 足裏を親指でぐぐっと押しながらマッサージ。
  • テニスボールで足の裏をゴロゴロとマッサージ。
  • つま先で立って5秒~10秒静止。何度か繰り返す。
  • ヨガでは常に足指を開くことを意識する。

やがて足の指一本一本の感覚が生まれ、足の指できれいなパーができるようになります。

スリッパは足裏の健康に良くない

2年前位に突然、歩く時、右足の裏の内側に痛みが出たことがありました。カイロプラクティスに行ったり、足のマッサージに行ったりしたのですが、なかなか治りませんでした。何が原因だろうと考えた末に、スリッパを履くのをやめてみたところ、1~2週間で痛みがなくなりました。 

UGGのスリッパ

スリッパを履くとスリッパが脱げないように、無意識に足を丸めるため足裏の筋肉が常に緊張した状態で負担がかかっていたのです。特に、痛みが出た時は、息子からプレゼントしてもらったUGGの底厚のスリッパを履いていたので、余計負担がかかったのだと思います。

試しに、痛みが完治してから、再度UGGのスリッパを履いたところ、案の定痛みが戻ってきました。UGGのブーツも問題は同じです。シープスキンに足が包まれる快感は素晴らしいですが、残念なことにUGGの靴底は、真っ平で土踏まずや、踵のサポートやクッションがありません。靴の中で足が滑るのを防ぐために足裏には、不自然な負担がかかってしまいます。足の痛みがひざや股関節にまで響くこともあります。

念のため、カイロプラクティスの先生にも確認してみたところ、その通りで、夏にビーチサンダルで過ごす人にも足底腱膜炎(Plantar fasciitis)がよく発生するということでした。

せめて家にいる時は、足を開放してHappy Feetにしてあげましょう。