
- ヨガセラピー入門講座~優しいポーズを教える力をつける~
- ポリヴェーガル理論~自律神経のトリセツ~
- ヨガセラピストとしての倫理
地域の「元気」と「つながり」をつくるヨガセラピー
これまで出会ってきた受講生の中には、こんな思いで協会の門を叩いた方が多くいました。
- 自治体や地域サロンで、転倒予防やフレイル予防に役立つヨガを提供したい
- 70代・80代になっても通える、やさしくて安全なクラスを開きたい
- 膝や腰に不安がある方にも、「これならできる」と楽しんでもらえるクラス作りがしたい
- 地域の高齢者が、家にこもらず、人とつながれる場をつくりたい
- 介護が必要になる前の段階で、「自分で立つ・歩く・座る力」を守るお手伝いがしたい
ヨガセラピーを学ぶことは、シニアの方の「からだ」と「こころ」を支えるだけでなく、地域の“居場所づくり”にもつながっていきます。
先日、私が担当している「シニアヨガ指導者養成講座」に参加してくださったNさんは、これまでの受講者の中で最もご高齢の70代の方でした。Nさんは地域で開催されたシニアヨガクラスに参加したことをきっかけにヨガが大好きになり、「高齢化が進む地元の町で、シニアヨガの指導者として活動したい」と思われたそうです。その熱意に、私も深く感動しました。
※このページは、一般社団法人 日本ヨガメディカル協会が監修するヨガセラピー情報サイト「Yogatherapy(yogatherapy.co.jp)」内のご案内です。正式な講座情報・日程・お申し込みは、協会オフィシャルサイト(https://yoga-medical.org/)をご確認ください。
日本ヨガメディカル協会の「シニアヨガ」の特徴
他にもシニアヨガ養成講座はたくさんあります。それでも、ここに辿りついたあなたへ。
「ただ運動量を落としただけのヨガでは、シニアの本当のニーズには届かない気がする」
「元気な方だけでなく、膝や腰の痛み、不安や孤独感を抱えた方も受け入れたい」
そんな思いを持つ方にとって、日本ヨガメディカル協会のシニア・地域向けプログラムは、アメリカで発展してきたエビデンスベース(医学・健康科学の研究に基づく)のシニアヨガ/ヨガセラピーを土台に、日本の高齢化社会と地域の現場に合わせて再構成した学びの場です。
複数の講座を通して、単にポーズを軽くする方法を学ぶのではなく、解剖学・筋膜・自律神経・心理といった多角的な視点から、「どうすれば、その方の人生の質(QOL)を高める関わりになるのか」を一緒に考えていきます。
- 解剖学や筋膜の知識に基づいて、「立つ・歩く・座る」を支える体づくりをサポートすること
- 自律神経や感情の理解を通して、不安や孤立感にも寄り添えるクラスを設計すること
- 身体だけでなく心の不調に対しても寄り添っていくこと
こうした学びを通して、「シニアのためのヨガ」を越えた、“人生の後半をともに生きるためのヨガ”を育てていきます。
その結果、修了生の中には、地域サロンや介護予防事業、デイサービス、医療・介護の現場など、さまざまなフィールドで活動している方が生まれています。
1.“できること”から始める、安全なシニアヨガ
- 床に座れない方、膝や腰に不安がある方でも参加できるよう、椅子のまま・ベッドサイドのまま行える動きやポーズを大切にしています。
- できるだけ頑張るのではなく、ゆるやかな動きと呼吸で「痛みが悪化しない」「息切れしない」「怖くない」クラスづくりを目指します。
- 「できないこと」に目を向けるのではなく、「今できる小さな一歩」を一緒に見つけていくのが、ヨガセラピーの基本姿勢です。
2.解剖学と筋膜の視点で、転倒予防・フレイル予防をサポート
- 立つ・歩く・椅子から立ち上がる…といった日常動作を支える筋肉・関節のしくみを、わかりやすい解剖学として学びます。
- 筋膜・バランス・足裏の感覚など、「動けるからだ」を保つポイントを押さえたうえで、シニア向けに安全なポーズや簡単なエクササイズを組み立てていきます。
- その結果、「なぜこの動きをするのか」「どこを意識すればいいのか」を参加者にわかりやすく説明できるようになっていきます。
3.地域の「居場所づくり」と「つながり」を育てる
シニアの方にとって、クラスに通うことは運動の場であると同時に“社交の場”でもあります。
- 協会の講座では、ポーズだけでなく、安心できる声かけ・コミュニケーション・グループ運営の工夫も学びます。
- 「また来週も行きたい」と感じてもらえる場づくりは、地域での活動を長く続けていくための大切な土台です。
シニアクラスや地域ヨガの活動を続けていくためには、以下のような多面的な知識が大きな支えになります。
- シニアのからだの特徴(解剖学・筋膜・加齢変化)
- 呼吸と自律神経の仕組み
- 転倒予防・フレイル予防の視点
- 安全性とリスク管理
- グループ運営・コミュニケーション
「まずは1講座から」でも、もちろん大丈夫です。そのうえで、必要に応じて学びを重ね、シニアや地域を支える“協会認定ヨガセラピスト”を目指せる道も、ここには開かれています。
シニア・地域での活動に役立つ「4つの学びのテーマ」
ここから先は、シニアクラスや地域活動をしたい方に向けた4つの学びのテーマをご紹介していきます。
テーマ1 体を知り、心と調和する
― 転倒予防・フレイル予防につながる体の使い方を学ぶ ―
- シニアヨガ指導者養成講座
- ヨガセラピーに活かす解剖学1
~基礎知識と人生100年を見据えた「立つ」「歩く」「座る」~ - ヨガセラピーに活かす解剖学2~筋膜×ヨガ~
- ヨガセラピーに活かすリストラティブヨガ入門
「立つ」「歩く」「座る」といった日常動作に必要な筋肉や関節、筋膜・バランスの仕組みを学びながら、無理なく“動ける体”を保つヨガを身につけます。椅子ヨガやリストラティブの要素も取り入れ、
元気な方から要支援レベルの方まで対応できる視野を広げていきます。
どの順番から受講してもOKですが、シニアや不調を抱える人にけがをさせないずに安全なヨガを提供するためのポーズの適応方法の基礎を知りたいという方にお薦めするのが「シニアヨガ指導者養成講座」です。そこから、体のことを深く知りたくなったら解剖学1,2、リストラティブヨガへと進むといいでしょう。ただ、もし今までヨガを教えたご経験がない場合には、テーマ2の「ヨガセラピー入門講座」をお薦めします。参加者さん同士で実際に優しいポーズを教え合うことで、ヨガを指導する経験を積むことができます。
テーマ2 癒しの原点を学ぶ
― シニアにも安心して届けられる「やさしいヨガ」の土台づくり ―
- ヨガセラピー入門講座~優しいポーズを教える力をつける~
- ポリヴェーガル理論~自律神経のトリセツ~
- ヨガセラピストとしての倫理
1)「ヨガセラピー入門講座」ではヨガセラピーの本質、相手を変えようとするのではなく、心の変容の道をともに歩む道案内(シェルパ)としての姿勢を学びます。その上で2日間を通して、4種類のカード教材を用いながら、ウォーミングアップの組み立て方と、22の簡単なポーズ/呼吸法を「安全に、安心して伝える」ための指導スキルを体系的に習得します。現場での禁忌や応用、基本のポーズ、簡略化した太陽礼拝の練習も含まれ、指導経験の有無にかかわらず、地域やご家族の高齢者など“やさしいヨガ”が必要な場面で活かせる内容です。
2)ポリヴェーガル理論~自律神経のトリセツ~
不安や緊張、対人疲れ、イライラ、胃腸の不調などの背景にある「自律神経の反応パターン」を、いま注目を集めている自律神経の新しい理論――ポリヴェーガル理論の視点から理解していきます。自律神経の仕組みを知ることで、心の安定や平穏を得て、心身のウェルネスを高めるために「何をしたらよいか」が明確になります。ヨガクラスでは、ストレス低減を目的としたクラスづくりに活かせるほか、指導者自身のセルフケアにも役立ちます。
3)ヨガセラピストとしての倫理
地域で活動するほど大切になるのが「信頼」。この講座では、協力団体であるIAYT(国際ヨガセラピスト協会)の倫理規定をもとに、日本で活動するための職業倫理を学びます。目指すのは「安全・信頼される」指導者であること。継続的に選ばれる土台をここで整えます。 yoga-medical.org
おすすめの受講順:入門 → ポリヴェーガル理論 → 倫理
まず「教え方」を作り、次に「安心へ導く理解」を深め、最後に「信頼を守る枠組み」を固める——この順番が、初めての一歩に最短です。
テーマ3 マインドフルネスを育む
― シニアの不安や孤立感に寄り添う“心のケア”としてのヨガ ―
- 川野泰周先生のマインドフルネス講座(禅✕医療)
- 森田療法を共に学ぼう~感情の法則を知れば心が楽になる~
- マインドフルネス・ヨガセラピー(MYT)プログラム指導法入門講座
人生における、病気・介護・喪失体験など、心がゆらぎやすい出来事は多くあります。マインドフルネスや森田療法の視点を学ぶことで、「気持ちを無理に変えようとするのではなく、そのまま大切にしながら寄り添う関わり」をヨガの時間の中で育んでいくヒントが得られます。
テーマ4 寄り添い、つなぐ
― 地域の人・家族・医療・行政と“ともに支える”ために ―
- つながる心を育むコミュニケーション講座
- 医療業界の基礎知識~医療機関と共に歩むために~
「コミュニケーション講座」では、言葉だけでなく、目線、触れ方、立ち方にも宿る“癒しの力”を探ります。「医療業界の基礎知識」では、地域の医療機関とも連携したいという思いを将来的にお持ちn場合に、「この人なら安心してお願いできる」と思ってもらえるノウハウをお伝えします。
よくあるご質問(シニアヨガ・地域で活動したい方 編)
Q. ヨガインストラクターの資格を持っていなくても参加できますか?
A. はい、ご参加いただけます。
すでにヨガを教えている方はもちろん、「これから地域でシニア向けの場をつくりたい」「ボランティアから始めたい」という方も受講されています。ヨガ経験がある方のほうが理解しやすい内容ではありますが、「指導歴がないと参加できない」という条件はありません。また、協会の講座は基本的に5人以下の少人数制で行っていますので、他の方々と較べることなくお気軽な気持ちで参加していただくことができます。
Q. 医療・介護の資格は必須ですか?
A. 必須ではありません。
看護師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士・ケアマネジャーなど、医療・介護の専門職の方も多く学ばれていますが、今までも地域サロン主宰者やフィットネスインストラクター、会社員・主婦の方など、さまざまなバックグラウンドの方がいらっしゃいました。「シニアや地域の人の役に立ちたい」という思いがあれば大丈夫です。
Q. 自分自身があまり動けない/体が硬いのですが、それでも教えられるようになりますか?
A. 問題ありません。
シニアヨガや地域でのクラスでは、「モデルのように完璧にポーズを見せること」よりも、参加者の安全を守りながら、できることを一緒に見つけていく視点が大切です。椅子や壁・道具を使ったやさしいポーズや、呼吸・イメージングなど、講座内で実際に体験しながら学んでいきます。
Q. 他にもシニアヨガ養成講座がある中で、日本ヨガメディカル協会の特徴は何ですか?
A. アメリカで発展してきたエビデンスベースのシニアヨガ/ヨガセラピーを土台に、日本の高齢化社会・地域の現場に合わせて再構成している点です。ポーズの軽減テクニックだけでなく、
- 解剖学・筋膜・自律神経・心理の基礎
- 転倒予防・フレイル予防の視点
- 医療・介護・地域との連携方法
まで含めて学び、「人生の後半をともに生きるためのヨガ」を育てていくことを大切にしています。
Q. 学んだあとは、どんな場で活動している人が多いですか?
A. 例えば、次のようなフィールドで活躍している修了生がいます。
- 自治体の介護予防教室・地域包括支援センターの教室
- 公民館・地域サロン・自治会主催の健康体操・ヨガクラス
- デイサービス・高齢者施設でのレクリエーションや機能訓練の一部として
- がんサバイバーや慢性疾患を抱える方向けの少人数クラス
最初はボランティアや月1回のクラスから始め、徐々に活動の場を広げている方も多くいらっしゃいます。
Q. すぐに「シニアヨガ指導者」として活動できるようになりますか?
A. 個人差はありますが、「いきなり完璧に教えられるようになる」というよりも、まずはご自身の既存クラスや、身近な家族・友人・地域の小さな場から、できる範囲で試していくイメージです。学びを重ねていくことで、対象者や現場に合わせた調整力が育ち、できることが少しずつ増えていきます。
Q. すべての講座を受けないと意味がありませんか?
A. 「まずは1講座から」でも大丈夫です。関心のあるテーマや、今の活動にすぐに活かしたいテーマから受講していただけます。そのうえで、必要に応じて他のテーマを追加し、最終的に協会認定ヨガセラピストを目指すことも可能です。
Q. オンラインでも受講できますか? 地方在住でも大丈夫でしょうか?
A.基本的にオンラインで全講座を受講していただけます。地方在住の方や海外在住の方も多数受講されています。
Q. 年齢制限はありますか? 50代・60代からでも遅くないでしょうか?
A. 年齢制限はありません。
受講生の中には、50代・60代から学び始めて、シニア向けクラスを開いている方も多くいらっしゃいます。ご自身が人生の後半を生きているからこそ、参加者の気持ちに寄り添える…という強みになることも少なくありません。
Q. 将来的に「認定ヨガセラピスト」を目指すこともできますか?
A. はい、可能です。
シニア・地域向けの講座で学んだ内容は、そのまま協会認定ヨガセラピストへのステップにもなっています。今は地域のクラスが中心でも、「いずれは医療・介護現場との連携も視野に入れたい」という方にとって、無理なく学びをつなげていけるカリキュラムになっています。最後に事例レポートを書いていただきますが、それも合格不合格を決める試験ではなく、皆さんに実践の第一歩を踏んでいただくためのものです。不安な点があれば講師が最後までしっかりと伴走させていただきます。事例レポートでヨガを伝える相手は、ご家族の一員に教えるということでも大丈夫ですし、ご自身の課題がある場合は、ご自身を対象とすることも可能です。

