骨盤を立てる

前回書いた「キャットアンドカウ」や「セルフアジャストメント」、「尾骨を使ってポーズを深める」と重なりますが、今回は骨盤の前傾と後傾、そしてニュートラルな位置についてです。

ニュートラル(neutral)とは、 「いずれにも偏らない、中立的である、中間的」 という意味です。

骨盤の前傾とは骨盤がおじぎしている状態で(左)、反り腰になります(右)。後傾とは骨盤がふんぞり返っている状態で腰は丸まり猫背になります。骨盤がニュートラルな位置(真ん中)が良い姿勢の基本です。

英語だと骨盤の前傾をAnterior tilt、後傾をPosterior tilt と言います。Antというのは前とか正面という接頭辞で、Postは、その反対です。

骨盤ニュートラル位置の練習

骨盤のニュートラルな状態にする練習をしましょう。

脚のできるだけ付け根に近い部分にヨガブロックをはさみましょう。このヨガブロックを車に見立てて車庫入れの微調整のイメージトレーニングでやってみましょう。

  1. ヨガブロックを太ももでギュッとはさみます。まずは、ちょっとだけ車を車庫出し。
  2. 息を吸いながら鼠径部を後方に引き(くぼませ)お尻を後ろに突き出し広げ腰は反ります。骨盤は前傾し太ももは内転しヨガブロックは後ろに突き出ます。
  3. 息を吐きながら尾骨を床に下げることで、今度は太ももが外転し、お腹を引き上げます。車庫入れ完了。

骨盤底は引き上げられます。ヨガブロックは体の前方に出ます。

この動きを大きくし過ぎると車は車庫の前面の壁にぶつかってしまいます。骨盤の状態は、後傾しお腹には力が入らない状態です。(図の右)

うまく車庫入れできた時点が骨盤のニュートラルポジションです。この時の内股は、しっかりとブロックをハグして引き上げている感覚があるはずです。

ヨガのポーズにおいて意図的に骨盤を前傾させてから、つまり反り腰出っ尻状態、脚は内旋回してから、尾骨を入れる(または下げる)ことで、脚は外旋し骨盤はニュートラルな状態になり骨盤の前面のお腹が引き上げられムラバンダが生まれます。

なぜ上記のステップを踏むといいかと言うと、大腿骨と骨盤をつなげる部分にヒントがあります。

大腿骨

つなぎ目のの球形部分が大腿骨頭です。骨盤を下げると球形部分が回転します。それによって、股関節にスペースが生まれ、よりスムーズな動きできるのです。金槌で釘を打つのではなく、ねじを回し入れるイメージです。

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Yumi Hoban Muramatsu
日本ヨガメディカル協会 International Liaison& Media Director
担当講座:ヨガセラピーに生かす解剖学② ~怪我をさせないポーズの軽減法&筋膜を学ぼう~(オンライン講座年4回開催:開催日程は協会ホームページにてご確認ください。)

全米ヨガアライアンスE-RYT500取得後、アメリカに本部を置くヨガセラピストの国際認定団体であるIAYT(Internationa Association of Yogatherapists)の認定ヨガセラピストC-IAYT取得。米国のカイロプラクティスや鍼灸のオフィス、ヨガスタジオでヨガセラピーを教える。

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