Cat & Cow 猫と牛のポーズを極める

キャットアンドカウは腰を丸めたり反らしたりする準備運動として使われるポーズですが、丁寧にゆっくりと26個の背骨(頚椎7個+胸椎12個+腰椎5個+仙骨+尾骨)を一つ一つ順番に動かす意識を持ってやると、腹筋も使いますし結構汗をかけます。

また、あらゆるポーズにキャットアンドカウの動きを取り入れることによりポーズに深みが出ます。

このポーズで一番ありがちなのが、自分の背骨の最も動きやすい場所だけ動かして背骨全体が動いていないという点です。(ほとんどの人にとって最も動きやすい場所が腰の部分です。)

脊椎一つ一つに意識を集中して波のように動かす

胸椎に集中したキャットアンドカウ

腰椎の動きを制御して胸椎から頚椎の動きに集中するには、

1.四つんばいの姿勢ではなく、膝を開いてお尻を踵にくっつくまで下げてチャイルドポーズになります。

2.両手は頭上に伸ばし手をカップのようにして指先だけを床にしっかりと固定します。

3.息を吸いながら左右の肩甲骨を引き離し背中をバルーンに見立てて首にかけて膨らませます。軽くおへその方をのぞきこむようにします。(Cat)

4.息を吐きながら左右の肩甲骨のスペースは保ったまま胸から床に近づけ視線を手の先の方に移しながら胸椎を反らせます。(Cow)指で床を自分の方に引き寄せるようにします。

☆上記図の中の下げないというのは、わきの下のことです。わきの下は浮かせるようにしておきましょう。

腰椎中心のキャットアンドカウ

次に胸椎を固定して腰椎の動きだけでキャットアンドカウを行う方法です。

1、四つんばいの姿勢から前腕全体を床につけます。

2.息を吐きながら尾骨から背中に向かって(肩甲骨の下まで)腰椎の骨の一つ一つを順番に動かす意識で腰を丸めて行きます。(Cat)

3.息を吸いながら反対方向に戻すように胸から尾骨に向かって反らせて行きます。この一連の動作において、胸から上はできるだけ動かさないようにして、ゆっくりゆっくりと行います。(Cow)

全意識を背骨の一つ一つの動きに集中して行います。ポーズを通してお腹がだらりんと床に落ちないように引き締めた状態を保ちましょう。特に息を吐いたキャットのポーズの時には、尾骨を床に向かって下げると同時にお腹を締め引き上げましょう。(ムラバンダが感じられます。)

鏡で自己チェック

タレントの武井壮さんの「大人の育て方」という講義をYoutubeで見たのですが、体の動きについて素晴らしいことを言っていました。

彼は小学生の頃、好きな野球選手の投球フォームをそっくり真似していたつもりが、ビデオに撮ってもらった姿が、まったく違ったことにショックを受けたそうです。そして、以下の結論に達したそうです。「頭の中で思っているように動いているつもりなだけで、思ったとおりに動いてなかった。そうか!自分の視界からはずれた体の部分は、思った通りに動いていないんだ!」

たとえば、まっすぐ横に腕を持ち上げるという簡単な動作でさえも、自分ではできているつもりが、片腕が下がっていたりする。腕をまっすぐにさえ上げられない自分なんだと気づき、彼は徹底的に視界からはずれた体の部分もパーフェクトに動かせる練習を積んだそうです。やはり、芸能界で生き残るような人は違います。

キャット&カウのポーズをしながら、鏡でチェックしてみてください。背骨を均等に丸めたり、反らしたりしているつもりでも、鏡で見ると、たとえば、腰ばかり反っていて(特に反り腰の人に起こりがち)、胸椎の部分は、まっすぐのままだったり、尾骨から丸め始めたつもりなのに胸椎だけが丸まっていたりということに気づきます。目から鱗です。

自分の反りやすい場所、丸まりやすい場所を見つけたら、そことは違う場所から動かしてみてください。100%の集中力と、腹筋もフル活動させることになります。汗がじわっと出てきます。キャット&カウという初級のポーズが、実はとても難しいことがわかると思います。

キャット&カウは腰痛などに効くと言われていますが、100%の集中力でやると、さらに効果が感じられると思います。

キャットアンドカウをシークエンス全体に生かす

ホームプラクティス(家で練習)する場合や、あまりアライメントの指示のないクラスに参加する場合、その日の練習では全てのポーズの中に、キャットアンドカウのポーズをイメージとして持って行ってみてください。

ムラバンダを感じる

特に、この動きがわかりやすいポーズがあります。たとえば、「いすのポーズ」では、最終形でじっと止まっているのではなく、呼吸をしながら少しキャットアンドカウで動きを出します。腰を落としてから息を吸いながらカウで腰を少しそらし、息を吐きながらキャットで尾骨を床に向かって下げお腹を締め引き上げます。(ムラバンダが感じられます。)

「体側を伸ばすポーズ」、「三角のポーズ」、「戦士のポーズ1、2」でも、同様です。

「英雄のポーズ」では後ろに倒れて行って前腕を床についた時点で、既に腰が反りがちになり、既にカウになっていますので、息を吐きながらキャットを行うことで腰の反りすぎを防ぎます。この状態でキャットアンドカウを何度か行いながら、さらに余裕のある人はキャットの意識を持ったまま、つまり尾骨は膝に向かって伸ばし、お腹は引き上げながら背中が完全に床に着くまでおろします。余裕のない人は、そのままの状態でもいいですし、ヨガブロックや、ブランケットや、ボールスターズを置いておいて、そこに背中をあずけます。


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筆者

ホーバン村松由美子

米・ニュージャージー州在住。1982年ハタヨガに出会う。1986年に渡米。RYT500 & Prenatal (マタニティー) & シニアヨガインストラクター。米にてInternational Association of Yoga Therapists 取得中。「セラピーとしてのヨガ」がライフワーク。