ヨガ部活

医療者にも必要な、ストレスケアとリフレッシュ

始まりは、茨城県内のいくつかの病院で行われていた「がんサロン」での患者さん向けヨガのボランティア活動でした。そこに参加してくださった看護師さんたちから、医療者もリフレッシュ目的のヨガをやってみたい、とのリクエストをいただき、 水戸済世会総合病院 でサークルとしてのヨガ活動が始まりました。

他の病院同様、部活動に昇格するにはある一定期間の活動実績が必要です。一年間のスケジュールを立ててくださり、会議室を押さえていただきました。忙しい病院の中で、この調整がとても大変だとのことです。

やがてサークル活動は、病院への申請を経て正式な部活動になり、予算がつきました。それに伴い、参加費の徴収額も少なくなり、参加しやすくなりました。また、それまで月に一回で曜日の制約があったのが、月に2回、異なる曜日で行うことになりました。ある日のヨガ部活を見学させていただきました。

ある日のヨガ部活

【参加者】

臨床検査技師(男性)
医師(心臓血管 / 内科)
看護師(男性)
ソーシャルワーカー
臨床心理士
看護師
栄養士
総務課職員

【クラス時間】

18:00-19:00

【クラス担当】

ヨガメディカル茨城講師

病院でのヨガクラスは、ヨガの先生が病院に来てヨガを教える、というだけのことではありません。ヨガを、普段ヨガに接することがない方々にわかりやすく説明する力、そこで働く方々の働き方の特徴などに配慮するなどの総合力が問われます。

【クラスの内容】

お腹に手をあてたゆっくりとした腹式呼吸からクラスが始まりました。患者さんが行うと有効と思われる呼吸筋のストレッチはもちろん医療従事者のリフレッシュにも有効です。久しぶりに体を動かしました、という参加者の方々にナホ先生は「やりにくい動きを あえて意識して行う時間も、自分と向き合う大切な時間です」と語りかけていました。患者さん向けクラスとは異なり、ちょっと強度の高い不安定なポーズも。

先生「(笑いながら)ヨガはきついんです〜」
参加者「きついいい」
先生「その、本音を言える時間が大事なんです!溜め込んでおくと大変なことになってしまいます」

途中でしっかり水分補給も行います。

先生「今日1日あったことを思い出して、自分を許していきましょう!嬉しかったこと、良かったことを思い出していきましょう」

緊張や不安を抱えているのは患者さんだけではありません。医療という現場で患者さんの不安に向き合う医療者の方々は感情労働でもあります。だからこそ、その感情をセルフケアする時間を確保することは、最終的に患者さんへの接し方として還元されていきます。

ヨガセラピーのゴールは Deep Sleep, Less Stress ストレスを減らし、睡眠の質を高めることです。ヨガクラスがあった日はリフレッシュになり、よく眠れる、というお声をいただくにつれ、病院内で部活動という環境づくりに動いてくださった看護師さんたちの行動力に頭が下がる思いです。

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謝辞

いつもクラスに参加いただいている 水戸済世会総合病院の消化器一般外科高久秀哉医師をはじめ、多くの医療従事者の皆様に協会のメディカルサポーターにご就任いただきました。


文責:岡部朋子