
私たちは1日に約2万回呼吸をしていいます。

呼吸基本編
吸う息 プラナ(気)と酸素を取り込みて拡張します。
- 体を開いたり、伸ばしたり、拡張したりする時。
- 重力に逆らって上向き方向に体を開いたり、伸ばしたり、拡張したりする時。
- 背筋を伸ばす時。
- 腕を横や頭上に伸ばす時。
- ねじるポーズで、ポーズに入る前に吸いながら背筋を伸ばすことで、ひねりながら背骨の間が狭まってしまうことを防ぐ。たとえば、パリヴリッタ・スカーサナ(Parivrtta Sukhasana ねじった安楽座)でねじる際に、上半身が縮みやすい。またねじる側の体側が縮みやすいので、ポーズに入る前に吸う息で背骨と体側をしっかりと伸ばしてから、息を吐きながらねじる。※1

吐く息 プラナと息が体の外側に向かって拡張します。
- 体を閉じたり、曲げたり、ねじったりする時。
- 床に対して平行に動く時。(例:戦士のポーズ2で片ひざを曲げる時。)
- ポーズの頂点から元に戻って行く時。
- ポーズを深めて行く時。
- 両腕を体の中心軸へ持ってくる時。
呼吸アレンジ編1:リバース
※1:上記は基本の考え方ですが、場合によっては呼吸をまったく逆に使うこともあります。たとえば、上記の「ねじった安楽座」では、
- 安楽座の姿勢で、息を吐きます。
- 吸う息で、頭を天井に向かって押し上げて行く意識を持ちながら背中を長ーく伸ばしながら右にひねっていきます。
- 次の吐く息で、さらにひねりを深めて行き、2~3呼吸ホールド。
- 吸う息で背骨の長さを保ったまま真ん中まで戻って来ます。
というような呼吸も可能です。このシークエンスの良い所は、どうしても多くの人はひねる時に背骨が縮んだり、体が前かがみになりがちですので、それをふせいで、背骨と背骨のスペースをキープしつつ、ひねりを深めて行きます。背骨と背骨のスペースをキープしていくことができます。
キャット&カウ(ネコと牛)のポーズでも、一般的には、吐いて丸めて吸ってそらしてですが、反対に背中側の肋骨を広げる意識で吸って丸めて行くと(風船がふくんでいくように)、また別の感覚が得られます。

呼吸アレンジ編2:呼吸のエネルギー
私の師匠の一人が教えていたアヌサラヨガのスタイルでは、吸う時はマスキュラーエナジー(筋肉のエネルギー)と言い、吐く時はオーガニックエナジー(直訳だと有機的なエネルギーですが意訳すると自然の力を生かしたエネルギー)と言います。
吸う息では皮膚が筋肉に筋肉が骨に引き寄せられ体の中心軸に向かってギュッとエネルギーが集まってくるような感覚になります。
そして、吐く息では、反対にその集めたエネルギーを中心軸から体の外側の空間へと放出拡散する感覚になります。ちょっと目をつぶって山のポーズで、上記を意識しながら、やってみてください。このエネルギーの動きが感じられると思います。ポーズでは、たとえばダウンドッグでこの意識でやってみた場合、吐く息では拡張のエネルギーを意識しながら手足が床を押して行きます。三角のポーズでは、吐く息で☆がピカーッと光を放つイメージで、床についている手足で床を押しながら拡張エネルギーを感じてみてください。
呼吸は鼻から?口から?
基本は鼻から吸って鼻から吐いてですが、ヨガ初心者の方や元々呼吸が浅い方、COPDで呼吸自体が難しい場合、苦しいと感じる場合は、鼻から吸って口をすぼめて吐きましょう。口笛を吹くほどはすぼめず、軽くストローをくわえている位です。息は無理に深く吸う必要はありません。(最近の研究では、過剰に吸ってしまうことの問題も指摘されています。)ソフトに滑らかに吐き終えたら、自然に吸う息が来てくれます。その吸う息もソフトで滑らかです。
自律神経をととのえる
緊張気味の時や眠れない夜に、右手を胸の上に左手をお腹の上において(座ったままでもOK)、軽く目をつぶって、鼻から吸って、口をすぼめて息を吸った時の長さの二倍の時間をかけて長ーく吐いてみましょう。(慣れない内には少しでも長く)副交感神経(緊張を解く神経)が優位になってきて心が落ち着いてきます。
村松ホーバン由美子:日本ヨガメディカル協会公認講師&WEB編集責任者
E-RYT500、C-IAYT(国際ヨガセラピスト協会認定セラピスト)、介護予防指導士、米国シニアヨガ指導士、ムーブメントセラピー指導者、ORIGINAL STRENGHTH認定プロフェッショナル、日英通訳翻訳。埼玉県在住。
【担当講座】「解剖学② ヨガセラピー✖筋膜」「ヨガ✖ポリヴェーガル理論✖自律神経」「様々なポーズの軽減法」