花粉症の方にとって辛い季節です。私も辛い思いをしている一人ですが、先日のヨガのクラスは、花粉症などによる鼻づまりや頭の重たさを取ることをテーマにしたヨガのクラスを行いました。クラスが終わった時には、多くの方が、「頭がすっきりした。」「片鼻が塞がっていたのが通った。」「鼻水が止まった。」という嬉しいコメントをいただきました。

体をゆったりと呼吸をしながら動かすことで、リンパの流れが良くなったり、自律神経がととのって、アレルギー反応がおさまるのかもしれないと思っていたのですが、それを裏付ける、2022年「アジア太平洋ジャーナル・アレルギーと免疫学」に掲載された研究をご紹介します。

アレルギー性鼻炎患者の鼻炎症状とサイトカインに対するハタ・ヨガ・トレーニングの効果

注釈)サイトカイン:炎症反応を引き起こし、鼻の粘膜の腫れや過剰な粘液産生を促進し、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの症状を引き起こす。

アレルギー性鼻炎は、アレルゲンに反応する鼻粘膜の炎症である。ヨガが個人の健康を改善し、免疫機能に良い影響を与えるという証拠がある。しかし、アレルギー性鼻炎患者の鼻炎症状やサイトカインに対するハタヨガのトレーニングの効果はまだ明らかではない。

そこで本研究の目的は、アレルギー性鼻炎患者の鼻炎症状とサイトカインに対するハタヨガのトレーニングの効果を調査することである。

方法は 27名のアレルギー性鼻炎患者をヨガを行うグループと行わないグループの2グループに無作為に割けた。ヨガを行わないグループでは通常の活動を続け、YOGを行うグループではハタヨガのトレーニングを1回60分、週3回、8週間行った。生理学的特徴、アレルギー性鼻炎症状、サイトカイン分泌をヨガトレーニング前後で比較分析した。

8週間後、YOGAグループはテスト前と比較して、ピーク鼻吸気流量が増加し、鼻炎症状と鼻血流量が有意に減少した。さらに、YOGAグループはYOGAを行わなかったグループに比べ、インターロイキン-2(サイトカインの一種で免疫系の調節に重要な役割を果たしている)の鼻腔分泌が有意に高かった。

今回の結果から、8週間のハタヨガのトレーニングは、臨床的なアレルギー性鼻炎とサイトカインプロファイルを改善することで、アレルギー性鼻炎に有益な効果をもたらすことが示された。

翻訳:Yumiko M. H.