川崎市多摩区のクリニックを拠点に、訪問診療を専門に行っている、「楓の風 たま・かわさき」院長・宮本先生の御著書です。宮本先生は、日本ヨガメディカル協会のメディカルサポーターであり、また日本笑いヨガ協会で「笑いヨガリーダー」でもいらっしゃいます。日本ヨガメディカル協会へのメッセージとともに、本の紹介文をシェアしてくださいました。

訪問診療を専門にしている宮本と申します。私はもともと呼吸器内科をしていたということもあり、ヨガの効果、特にヨガの呼吸法の心身への効果について、以前からとても興味をもっていました。皆様の活動は、世の中の多くの方の健康維持・向上につながっていると思いますので、今後のご活躍を祈念しております。

宮本 謙一 院長
在宅療養支援クリニック「楓の風 たま・かわさき」宮本謙一院長

本書「在宅医療と笑い」は、「これから在宅医療を受けたいと考えている患者さんやご家族」をはじめ、すでに在宅医療を受けている患者さんやご家族なども対象に、医学的な専門知識がなくても在宅医療について良く理解できるよう、できるだけわかりやすく解説することを目的として執筆したものです。

それに加え、これから本格的に在宅医療に関わっていきたいと考えている、在宅医、訪問看護師、訪問薬剤師、ケアマネージャー、訪問介護士等、様々な職種の方にも参考になる内容が含まれているものと自負しております。

第一章では

在宅医療の実際について、詳しく解説しました。特に、私たちが日頃から実践している、訪問診療・訪問看護・訪問薬局などの連携による、真の24時間365日体制の在宅医療チームについて紹介しています。そして、入院生活と比べた在宅療養のメリット、認知症の方の在宅医療のポイント、病院と変わらないレベルの治療が可能となった「がんの緩和ケア」などについても詳しく解説しています。

もちろん、どんなに素晴らしい在宅医療チームを導入しても、在宅療養生活がうまくいくとは限りません。うまく行かないときこそ「笑い」が大事(本書における笑いとは、心の底から笑うこと、そして笑えるように努力する=何でも前向きに考えて楽しむことを指します)です。

第二章では

笑いの医学的な効果、そして在宅療養生活における笑いの重要性について、私が診療してきた患者さんの具体的なエピソードを交えてわかりやすく説明しています。

第3章では

在宅医療チームに加え、地域の社会資源、介護保険サービスなどを活用し、充実した在宅療養生活を送るための方法について、具体的に解説しています。

宮本 謙一 院長

第4章では

在宅療養生活で笑いを習慣にするための方法について、笑いヨガという素晴らしいツールを中心に紹介しています。私は日本笑いヨガ協会で「笑いヨガリーダー」という資格を取得し、実際に活動してきました。本書では、特に、患者さんを支えるご家族や、私たちのような在宅療養生活を支える専門職が笑いを忘れては、患者さんを笑顔にすることはできない、という想いから、笑いヨガを紹介させていただきました。未熟な笑いヨガリーダーである私の稚拙な原稿を、校了直前で時間がない中、懇切丁寧に修正してくださった、日本笑いヨガ協会の高田佳子代表に、心から感謝の意を申し上げます。

日本笑いヨガ協会
https://www.waraiyoga.org/

第5章では

どんなに重い病状であっても、笑いの溢れる在宅療養生活を過ごした、素晴らしい患者さんたちのエピソードをたくさん紹介しています。100人の患者さんがいれば、100通りの人生ががあり、100通りの人生観、考え方があります。私は訪問診療を始めてからずっと、たくさんの患者さんの素晴らしい人生に触れ、日々「笑い」の重要性を実感してきました。その一部を、読者の皆さまにも共有していただければと考えています。

本書が、在宅医療に関わる一人でも多くの方のお手元に届くことを、心から願っております。