前回の「自分を愛するとは」に続いて、スリランカの僧侶バンテ・スジャータの法話備忘録2です。 バンティ・スジャータの本拠地はシカゴにあり、キリストと仏陀の像が門前に共存する大変ユニークな教会だそうです。
マインドフルネスの乱用
現在アメリカでは、Meditation(瞑想)、そしてMindfullness(マインドフルネス)が、多くの人の関心を集めています。悪いことではありませんが瞑想とマインドフルネスに対する間違った理解も多くあるようです。特にマインドフルネスは商業化されて、多額の授業料を取っている所もあります。私の寺院では、無料です(笑)。
マインドフルネスとは
○Paying Attention (注意を払う)
○Living in the Moment (この瞬間を生きる)
○Non Judgement (判断しない)
の3つですが、この3つの正しい理解の仕方を説いていきます。
Paying Attention
「注意を払うとは」何に注意を払うということでしょうか?5 Senses 自分の五感に注意を払うということです。5感によって人は幸に感じたり、不幸に感じたりします。アメリカ人は、よく”I’m so excited!”(すごく、わくわくする。)と言います。わくわくする時、あなたは必ず何かを期待していますよね。でも、その期待している事柄は起こるかもしれないし、起こらないかもしれません。わくわく感は5感に起因します。たとえば、大好物を目の前にしてワクワクして制限なく食べていたらどうなりますか?わくわくしてもいいですが、自分の5感に対してマインドフルに(注意を払いながら)わくわくしましょう。銀行を守るガードマンのように、常に自分の五感に注意を払いましょう。
Living in the Moment
「今この時を生きる」とはどういうことでしょうか?過去を後悔せず、未来を思い煩わないということですか?過去の事を全く、考えないようするなんてできますか?否定的な過去は記憶から消去してしまうことはできますか?そんなこと死なない限りできません。過去の記憶が頭に浮かんだとしても、それを愛を持って見つめましょう。そして、そこから学習すればいいのです。
未来について考えるな?それも難しいことですよね。私もできません。未来について、あれこれ悩んで、どんどん雪だるまのように心配が膨らむのを避けるには、きちんと計画を立てればいいのです。その計画は実現するかもしれないし、しないかもしれません。ですので、その結果を予測して思い煩わないことです。
No Judgement
「判断しない」でも全く判断しないで人は生きられますか?判断することは人の生活の一部です。判断しないとは、相手や自分を傷つけたり差別したりするような判断はしないようにということです。判断に対してマインドフルになってください。
本当の瞑想とは
瞑想は、お経、マントラを唱えたり、何かを心の中で視覚化(イメージング)したりと色々な方法で教えられていますが、それらはリラックスしている状態を作り出す方法に過ぎず、瞑想ではありません。イメージング瞑想で至る状態はトランス(恍惚感)に過ぎません。それは、一時的な状態に過ぎません。勘違いしないようにしてください。教義や教えは手放しましょう。言葉を通して理解するのはやめましょう。
また、何時間もただ瞑想すればいいというものではりません。あまりシリアスにならないでください。もし、あまりにシリアスに瞑想をしている人はちょっとおかしい、怪しい人だったりします。笑顔を忘れないでください。瞑想はトレーニングで、日常の生活そのものが瞑想の実践なのです。
初心者でしたら一日2分から始めましょう。それができるようになったら2分ずつ足して行きましょう。
村松ホーバン由美子:日本ヨガメディカル協会公認講師&WEB編集責任者
E-RYT500、C-IAYT(国際ヨガセラピスト協会認定セラピスト)、介護予防指導士、米国シニアヨガ指導士、ムーブメントセラピー指導者、ORIGINAL STRENGHTH認定プロフェッショナル、日英通訳翻訳。埼玉県在住。
【担当講座】「解剖学② ヨガセラピー✖筋膜」「ヨガ✖ポリヴェーガル理論✖自律神経」「様々なポーズの軽減法」