当協会の認定ヨガセラピストであり、現役看護師として臨床に携わり続けている土屋真由さんより「手の治癒力」草思社 についてご寄稿をいただきました。


11月に看護の研修会に行かせてもらう、山口創先生の著書。職場の先輩から、「この先生の講座に行くなら読んでみて」と、貸していただきました。

簡単すぎる感想になりますが、「手で触れる」ということがどれだけ人を癒し、医療の満足度さえも上げるのかということが、色々な研究結果をもとに書かれていて、とても勉強になる本でした。

数日前にオンライン講座で受講終了したポリヴェーガル理論にもふれられていたり、マインドフルネスについても記載があり、セラピストとしても、とても参考になる良書でした。

東日本大地震をはじめ、毎年のように起こる自然災害に心を痛めることが本当に多い昨今。今回の台風で被害に遭われた方々に、1日も早くあたりまえの毎日が戻ることを祈るとともに、心に残った本書の「あとがき」より、一部要約してお伝えしたいと思います。

『東日本大地震の後、日本中で被災地の人達を励まそうと「がんばろう」の掛け声があふれ、いたるところで目にするようになった。このような掛け声がメディアを通じて毎日のように繰り返し流された結果、被災した人々の中には「これ以上頑張れない」と余計に傷つき、「もっと頑張らないといけないのか」と落ち込んでしまう人が多かったという。

そのような場では、言葉で励ますのではなく、手でそっと触れて、その生を受け入れて認めてあげること、がんばっていることを認めること、そして共にいることを伝えることが何より大事なことだろう。そうすることが、被災した方々の心と体を両面から深く癒すことになり、それが生きようとする力を支えることになるのだと思う。そしてそのような体験によって、互いに少しずつ心を開いていくことができるようになり、本物の「絆」が生まれてくるのだと思う。

本物の絆とは単なる「つながり」のような意味ではなく、時間が経っても色あせることのない、共感に基づいた心と心の結ぼれをいうのだと思う。そのためには、手を固く握り合うような感覚レベルで感じ取れる強い共感が必要だと思う。

これからの日本人にとって長い間、「癒し」と「絆」をどのように実現していくかは大きな課題となるであろうが、手はそれを実現する大きな力になると確信している。』(本書より要約)

こういった想いの輪が、日本全国そして世界に広がっていきますように。

寄稿:一般社団法人日本ヨガメディカル協会認定ヨガセラピスト
看護師 土屋真由