アメリカを代表する経済誌Forbsに4月27日付けで、非常に興味深い呼吸とコロナに関する記事が出ていました。タイトルは「ノーベル賞受賞者からのシンプルな呼吸アドバイスは、コロナウィルスのロックダウン中のストレス局面を逆転させうる。」という、かなり長いものです。

元記事: https://www.forbes.com/sites/daviddisalvo/2020/04/27/this-simple-breathing-advice-from-a-nobel-prize-winner-can-turn-the-tables-on-stress-during-the-coronavirus-lockdown/#4bbcb5a46ab0

このノーベル賞受賞者はアメリカの薬理学者ルイ・イグナロ博士。体内で発生する一酸化窒素(NO)は血管を柔らかくして拡張する物質であることの発見と功績で1998年にノーベルノーベル医学・生理学賞を受賞しています。

鼻から吸って口から吐く

ごくごく簡単に記事の内容を要約します。

イグナロ博士が、コロナ・ウィルスの世界的大流行に際して勧めているのが、「鼻から息を吸って、口から吐き出すこと。」です。

先述したようにルイ・イグナロ博士は「体内で発生する一酸化窒素(NO)は血管を柔らかくして拡張する物質であり、この生理学的作用により、動脈内の血圧が低下し、また動脈の拡張により、すべての臓器への血流が増加する。」ということを発見しました。

中でも「(口の中ではなく)鼻の中の細胞と組織は、ガスである一酸化窒素を絶え間なく継続的に生成している。」という部分が重要で、つまり鼻から息を吸うことで、鼻で産生されたNOを最大限に吸い込むことができ、それによって肺への酸素供給を促進し脳と体中への酸素の供給も増やすというわけです。

また、ストレス状態にあると血管は収縮し筋肉は緊張しますが、鼻から吸って口から吐く呼吸をすれば、上記のプロセスにより、血管と筋肉は弛緩する。つまりリラックスできるというわけです。

イグナロ博士は、また、私たち自身の細胞によって生成された一酸化窒素は、私たちの体に侵入してきた細菌、寄生虫、ウイルスなどを殺したり、それらの複製や拡散を阻害したりすることができ、私たちの肺を守る。」とも言っており、現在、博士は他の研究者と協力して、肺のCOVID-19に対する一酸化窒素の影響を調査しています。

口から吐くことを推奨しているのは、鼻から吐くと、最も一酸化窒素を必要とする肺から一酸化窒素を吐き出してしまい無駄にしてしまうからだそうです。

ですので、どんな呼吸法をするにしろ、鼻から吸い、口から吐くことで、呼吸をする度に一酸化窒素を最大化することが大切だというのです。

呼吸は、心拍数は血圧を調整し、脳の感情をコントロールする領域にも関係し、記憶もよくすることがわかっています。さらに呼吸は免疫力を高め新陣代謝を改善する可能性があるとも言われています。

記事はこう締めくくっています。

「一酸化窒素の効果を最大限にする呼吸は最も効率的な、そして簡単なストレス・マネージメントのツールなので、もう、ストレス解消のために、どこかに行ったり、新たに何かを買ったりする必要はありません。」

あとがき

最後に、、、、ヨガのプラクティショナーとして迷うのは、そうは言うものの禅の呼吸法もヨガで一般に推奨されている呼吸法は「鼻から吸って鼻から吐く」です。たかが呼吸、されど呼吸で、世の中には行法や健康法として実に様々な呼吸法があります。きっと、それぞれに一長一短がある、、、もしくは、それぞれの行者によって求めるところが違うのだと思います。昔から今まで、人々の興味をひいてきた呼吸。それだけ呼吸というのは私たちの体と心に密接に関わっているということだと思います。

「調身・調息・調心」姿勢を整え、息を整えば、心おのずから整う

座禅の心得

文責:by Yumiko M. Hoban