Function over Form
Functionには「目的、役割または機能(を提供する)」という意味があります。
つまり、”Function over Form”とはヨガのそれぞれのポーズが、提供する役割や目的、機能を、ヨガの外側の形よりも優先しましょうということです。ヨガセラピーの教えのひとつです。
たとえばスプタヴィラーサナ(仰向けの英雄のポーズ)は、おなかの中までぐーっと引き伸ばしてスペースを作ってくれるので、胃もたれに、よく効くポーズです。(逆流性食道炎とヨガ:食後に猫背でいると内臓が圧迫されます。)
でも、この写真のようなポーズをとるのは、膝、そして腰への負担が非常に大きいので、誰でもできるポーズではありません。もし、この写真の型とおりのポーズをとることを重視して、膝や腰を痛めたのであれば、なんのためのヨガでしょう。
ブロックやボールスター、ブランケットなどを利用することで、同じ効果が得られるとするなら、そっちを優先しましょうということです。
そこで、このポーズの機能面(胸を開く、体の前面を伸ばす、内臓にスペースができる)を優先すると、たとえば下のような形になります。
ベターッと180度開脚?
開脚前屈のポーズ(ウパヴィシュタコーナーサナ)これは、何度も書きましたが、特に、「可動域と柔軟性とヨガ」で書きましたが、生まれもっての骨格の構造上、どんなに頑張っても開脚でべたっと上半身が床につくことができない人は、たくさんいます。
このポーズの機能面、脚を開いて前屈するを優先するなら、たとえば下の写真のようになります。この姿勢のまま、ゆっくりと呼吸をすれば心は自然と落ち着いて行きます。もちろん脚は、こんなに開く必要もありません。
ヨガは体操ではないので外見の美しさや、ポーズの難易度、柔軟性を競うものではないのです。
村松ホーバン由美子:日本ヨガメディカル協会公認講師&WEB編集責任者
E-RYT500、C-IAYT(国際ヨガセラピスト協会認定セラピスト)、介護予防指導士、米国シニアヨガ指導士、ムーブメントセラピー指導者、ORIGINAL STRENGHTH認定プロフェッショナル、日英通訳翻訳。埼玉県在住。
【担当講座】「解剖学② ヨガセラピー✖筋膜」「ヨガ✖ポリヴェーガル理論✖自律神経」「様々なポーズの軽減法」