<ハーバード大学メディカルスクール「フレイル予防」に関する講義より備忘録>

この講義の中で強く推奨されていたのが、ヨガと太極拳でした。その理由は、この二つは、心と体の両面にアプローチするという意味で突出しているためです。なぜ心へのアプローチも大切なのか?と言うと・・・・

高齢者の転倒恐怖症

高齢者の方は、一度転倒を経験すると、転倒の不安や恐怖心が大きくなり、そのために歩幅が狭くなったり、歩行がゆっくりになったり、平らではない場所を歩こうとする時、不安から体を硬くするため、却ってバランスを崩しやすくなります。やがて外出を避けるようになり自ら日常生活に制限をかけてしまい、それが筋力の低下につながり、さらに転倒リスクを高めるという悪循環を起こします。

写真提供:ヨガメディカル協会「シニアヨガ養成講座」講師・伊藤典子

このように心理的な要因が身体機能にも大きな影響を及ぼすために、体だけでなく心にも同時にアプローチできるヨガや太極拳はお奨めの運動なのです。実際に、講義の中で、転倒防止のための簡単な体操を習うのですが、山のポーズ、木のポーズ、板のポーズ、橋のポーズ、戦士のポーズなど、多くがヨガのポーズでした。

65歳の122人の成人を対象に、8週間の太極拳または太極拳と転倒リスクは避けることができるという認知行動療法セラピーを受講したグループにおいて、転倒恐怖のスコアが最も低かったという研究結果が出ています。

ヨガという処方箋

ハーバード・メディカルスクールでは、ヨガのガイドブックも発行しています。その中で紹介されているヨガの効果は実に多岐におよびます。これだけ読むと、ヨガを始めない理由が浮かばないくらいです。

関節炎の緩和。バランス、柔軟性、体力、運動神経の向上。心臓疾患リスクの減少。骨粗しょう症や多発性硬化症。過敏性腸症候群の緩和。血管の柔軟性の69%の改善。腰痛の緩和。ストレスの減少。体内の病気と戦う抗酸化物質レベルの上昇。喜びを感じる部分の脳を活性化させストレスに関連する感情を和らげる。たった8週間で健康を増進させる遺伝子のスイッチを入れる。糖尿病の薬を40%まで減少させる。うつ、不安、ストレスを減少させ、気力を高める。転倒リスクを減らし、もしつまずいたとしてもバランスがとれるようになる。アルツハイマーの発症を遅らせる。医療サービスの利用を43%減らすことで、年間一人当たり64,000円ないし250,000円相当の医療費の節約になる。

まずはウォームアップから

健康情報や健康常識は割りと頻繁に大きな変更があります。たとえば、実はマーガリンは体に悪いとか、コレステロールが高くても卵は食べても大丈夫とか、一日一万歩歩く必要はないとか。ストレッチに関しても、運動をする前にストレッチという考え方は、もう古く、今は、むしろストレッチする前に筋肉に酸素と血液が行き渡るように5~10分のウォームアップが推奨されています。

ヨガメディカル協会では「シニアヨガ指導者養成講座」が随時開催されています。

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Yumi Hoban Muramatsu
日本ヨガメディカル協会 International Liaison& Media Director
担当講座:ヨガセラピーに生かす解剖学② ~怪我をさせないポーズの軽減法&筋膜を学ぼう~(オンライン講座年4回開催:開催日程は協会ホームページにてご確認ください。)

全米ヨガアライアンスE-RYT500取得後、アメリカに本部を置くヨガセラピストの国際認定団体であるIAYT(Internationa Association of Yogatherapists)の認定ヨガセラピストC-IAYT取得。米国のカイロプラクティスや鍼灸のオフィス、ヨガスタジオでヨガセラピーを教える。

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