新見正則
Author:新見正則医師

(社)日本ヨガメディカル協会理事
〇1985年慶應義塾大学医学部卒業〇1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得〇2002年帝京大学外科准教授〇2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。

帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。

なんとなく風邪っぽい、風邪の引き始めかな、というときに西洋医学ではしっくりくる薬がなかなかありません。

眠くなる副作用も、仕事や運転には厄介です。できれば避けたいです。

しかし、漢方薬には風邪の出鼻をくじく素晴らしい薬がいくつかあります。これらの薬を飲めば、悪化が防げます。副作用もなく、眠くもなりません。

風邪を引くたびに何度か体験してみます。もちろん「効かなかった!」という失敗もあるでしょう。しかし自分なりの薬が発見できれば、とても効果が感じられるはずです。今回はその中でもおすすめの、打率が高いと思われるお薬をご紹介します。

極端なことを言うと、気のせいでも良いのです。結果的に風邪ではなかったかもしれません。その「漢方の力で効く気がする」という思い込みも大事なのです。

のどがチクっとする、背中がゾクゾクするときは

風邪の引きかけに、熱はないけれども、のどがチクっとしたり、ゾクゾクしたり、寒気があることがあります。「あ、これはこのままだと風邪かも」と思う瞬間です。その際にお試しいただきたいのが麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)です。麻黄(マオウ)、細辛(サイシン)、附子末(ブシマツ)という3つの生薬からなり、体を温めて発汗・発散作用をうながす効果があります。

これを1包×1日3回のみます。

鼻水が出る場合

風邪のひき始めに鼻水が出るパターンが多い方もいます。「鼻風邪かな?」と思う場合もあります。そんな時は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を1包×1日3回のみます。

小青竜湯は多くの生薬からできている漢方薬で、麻黄、桂皮には発汗作用が、細辛、乾姜には体を温める作用が、五味子、半夏にはたんを除去する作用があるとされています。

お腹にくる風邪っぽいときは

胃腸風邪の兆候が感じられる時があります。お腹が突然緩くなったり、です。下痢で始まる風邪が胃腸風邪ですが、かかってしまうと数日間苦しめられます。西洋医学では特効薬はありません。

そんなときに病気の出鼻をくじくのが五苓散(ごれいさん)です。ノロウイルスによる下痢にも効果を発揮するときがあります。「安静にしておくように」としか言われなかった方にはお試しいただきたい薬です。

これも1包×1日3回のみます。

まとめ

・喉の痛みや寒気には麻黄附子細辛湯を

・鼻水が出る場合は小青竜湯を

・胃腸風邪の気配がしたら五苓散を

それぞれ1包×1日3回飲みましょう。