アメリカのジェネレーションX(Gen Z)の今年の流行語の一つが、マインドフルです。「Mindful」は本来、仏教の瞑想法に由来し、「今この瞬間に意識を集中し、気づきを持つこと」です。具体的には、現在の体験や感情、思考に対して注意深く、批判や評価をせずにそのまま受け入れる状態を指しますが、GEN Zの間のスラング(俗語)としての「Mindful」では、ちょっとした気配りや気遣い、配慮した行動を、軽くアピールしたり茶化す時に使われることが多いです。日本語にすると「意識高い系」のアピールとしてSNSでよく使われています。

使い方の例としては、

「I’m mindful of my outfit today, trying to keep it lowkey.」
「今日の服装はマインドフル。控え目を心がけてるの」
→ 自分のスタイルに配慮しつつ、ファッション意識があることを軽くアピール。

「I’m just being mindful about my spending lately.」
→ 最近はお金の使い方にマインドフルなの。
「軽く気を配っている」ことを表現する

「Just being mindful of my mental health by taking a break from social media.」
「メンタルヘルスにマインドフル、ちょっとSNSを休んでるよ。」
→ 自分のメンタルケアを気遣っていることを伝えつつ、自己ケアに気を使う姿勢をさりげなくアピール。

若者は国に関わらず、言葉遊びが上手だとつくづく感心しますし、それと共に、言葉も、どんどんその意味を変化させていくものだと感じます。

おかし

たとえば平安時代には、「おかし」という言葉は、現代とは異なり、物事や風景、人物のふるまいなどに対して、「趣がある」「風情がある」「美しい」「面白い」「愛らしい」「心惹かれる」といったニュアンスで使われていました。現代の若者言葉で訳すと「エモい」が案外ぴったりくるような気がします。「おかし」は、源氏物語は200回ほど、枕草子では160回ほども使われているとか。実は、「おかし」は、ジェネレーションHEIANの間でバズった流行語だったのかもしれません。#おかし

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは少しあかりて、おかし。」枕草子
→ 春は夜明けが良い。山の端が少しずつ明るくなっていく様子が、なんともエモい。