らくだのポーズ

英語名:Camel Pose
日本語名:ラクダのポーズ
サンスクリット名:Ustrasana†

らくだのポーズ

深い呼吸をキープするためのコツ

吸う息で体を内側から支える

息を背中を広げ膨らますような意識で吸います(フグのイメージ)。体側(ウェストからわきの下まで)も伸ばします。 息を吐く時も、この体の内側の広がりはキープするようにします。

後屈では呼吸が浅くなりやすいので、後屈前に肺を背中に向けて広げてあげて、それを保つことで、体をそらした際に深い呼吸を続けることができます。

腰を守るためのコツ

太ももの内旋&尾骨を下げる

図の左から1と2のように息を吸いながら太股を内旋します。3.息を吐きながら尾骨をすくうと、自然に下腹の筋肉が締まり上がります。ムラバンダと言われているルートロックが実感できます。骨盤底筋を引き上げ、お腹から胸、頭頂部までの上昇エネルギーを感じます。

また、これを行わずに後屈すると恥骨が前に突き出し過ぎるという現象が置きます。 恥骨は軟骨でつながっている非常に離開しやすい場所です。特に妊娠中は緩んでいますので、らくだのポーズは避けるべきでしょう。産後も同様です。

両手でお尻を引き下げる

骨盤の後ろの上部に両手を添えて(指は床方向)、息を吐きながら手の平で骨盤を床方向に引き下げるように、同時に尾骨をすくいながら後屈して行きます。

これによって、腰がアーチし過ぎて腰椎に負担がかかり過ぎるのを防ぎます。意識は腰椎の後ろ側の引き伸ばしです。お尻を締め過ぎると 仙腸関節 も締め過ぎることになり、怪我につながります。それを防ぐために、お尻の外側を広げる意識を保ちます。

伸びを出すコツ

もうひとつ忘れてならないのが、土台となる足からのパワー。後屈しながら、足の甲(つま先を立てている場合には、親指)でしっかりと床を押し続けます。腰までがグッと安定し、その反動で上半身にも伸びが生まれます。ヨガブロックを足首にはさんで、両足でブロックをスクイーズしながら後屈しても足からのパワーを感じやすいです。

胸椎からの後屈のコツ

胸椎を持ち上げる

後屈していく際にパートナーに胸椎の部分を軽く指で押してもらいます。胸でその指を押し戻します(天井に向かって胸を突き上げます)。これによって、腰からのみのアーチではなく、胸の後ろの背中部分にアーチが生まれます。

ひとりでやる場合は、自分の両手を胸椎の上に重ねて、その手を胸椎で押し返しながら後屈していきます。

背中からのアプローチ

パートナーは後ろに立ちます。後屈している人がほぼ、キャメルの最終形になったらパートナーは両手でグーを作って親指側を上にして縦に重ね左右の肩甲骨の間、一番下(ブラジャーの線がくるあたり)に当てて天井側に持ち上げます。

一人でやる場合は、準備運動としてですが、椅子の背もたれの上部に、ブラの線を当てて、両手を首の後ろで組んで、胸を反らせてください。

脊椎の後屈(伸展)の可動域

頚椎 75度
胸椎 25度
腰椎 35度

合計135度です。胸椎の伸展も利用すれば腰の負担を避けながらポーズをさらに深めることができます。(詳しくは後屈で腰を傷めないためにを参照してください。)

首を守りましょう

首は、最後の最後に倒しますが、首が弱い人は顎を軽く引いたままの状態の方がいいです。首は肩の上に乗っている状態で5~6キロ、角度が増えるごとに頚椎への負担は増え60度の傾斜では27キロにもなります。

腰が膝のラインと垂直にするというキュー

アメリカの人気ヨガ・インストラクターのジェーソン・クランデル氏は、「もし股関節屈筋(股関節や太もも周りの筋肉)が柔軟で、ラクダのポーズで腰に全然負担を感じていない人は、膝の真上に骨盤が来ても問題ないが、そうでない人にとっては腰が弓なりになり過ぎて、負担がかかって問題だ。」と言っています。

ありがちなミスアライメント

私自身も、もともとが体の柔らかい人としてヨガを始めたのではないため、彼の言っていることが、体感でよくわかります。無理に腰を膝の真上に保とうとすると、腰をより湾曲させることになりますし、恥骨も突き出すことになるので、左右の恥骨をつなぐ恥骨結合は非常に繊細で恥骨離開の危険もあります。(特に妊娠中は要注意!)

解決策はシンプルです。腰が膝の真上に来ることは気にしないことです。膝から上が後傾してもいいということです。「名を捨てて実を取る」という故事は、名誉や名声などうわべの体裁よりも、実質的な利益を得ることを選ぶほうが、賢明であるという意味ですが、ヨガにおいても外の形よりも、体に利益がある方を選ぶ方が賢明です。

恥骨を前に突き出してしまうのを防ぐためには、常に鼠径部(太ももの前側の付け根)を後ろに引く(くぼませる/太ももの内旋)意識を持ち続けます。

らくだのポーズのバリエーション

  1. 二つのヨガ・ブロックを一番高い位置で両くるぶしの外側あたりに置きます。腰は膝の真上。
  2. 内腿同士を引き寄せます。
  3. 手を腰にあてます。指先は床に向けます。
  4. 息を吸いながら背筋を天井に向けて伸ばすとともに、手のひらはお尻を引き下げながら胸を反らして行きます。
  5. ブロックに手をつきます。
  6. ブロックを手で押しながら胸をさらに天井に向かって引き上げます。

らくだのポーズが苦なくできるという方も是非試してみてください。ブロックを手で押して、肩甲骨の一番下の部分を胸に向かって押し上げ胸骨を空に向かって持ち上げることにより、胸椎のカーブをより感じることができます。

らくだのポーズのアジャスト

さらに練習パートナーに、胸骨を真上から指の平部分で押してもらい、それを跳ね返すように胸を持ち上げてみてください。驚くほど胸のカーブを感じることができます。

両手でげんこつをつくり、重ねて、親指側で肩甲骨の一番下側の真ん中部分を下から天井に向けて軽くサポートするように持ち上げます。

準備ポーズはしっかりと

ラクダのポーズをする前に、「後屈で腰を傷めないために」を参照して、体の前面、側面、背面、肩周りなどたっぷり伸ばしましょう。


筆者ホーバン村松由美子

米・ニュージャージー州在住。1982年ハタヨガに出会う。1986年に渡米。RYT500 & Pre-Natal(マタニティ)& Prime of Life(シニア)ヨガインストラクター。