蓮華座(Lotus Pose)は、股関節、膝や足首を怪我しやすいポーズです。膝の怪我につながりやすいトップは蓮華座です。もしくは蓮華座のように足を組むマリチアサナ系のポーズです。
怪我につながる主な原因
怪我につながる主な原因は、股関節の堅さです。股関節周りが堅く十分に回旋できない状態で蓮華座を組もうとすると、結局、足首または膝関節で回旋を補うことになります。もともと、回旋するためにできていない足首や膝関節が悲鳴をあげることになるのです。
足首の前が、鎌のようにそっていませんか?(バレリーナーがトーシューズで立っているような形。訓練を重ねたバレリーナならありかも?しれませんが、普通の人は足首をやられます。)膝が不自然にねじれてませんか?合せきのポーズ Baddha konasanaで、もし膝が床から、かなり離れている(股関節より膝が上にある)場合には、無理にロータスをすることは避けるべきです。お尻の下にブランケットなどを敷くと膝が床に近づき、背筋も伸びますので、決して無理をせずに半分の蓮華座(片足だけの蓮華座)で座りましょう。
半分の蓮華座でも怪我した人は多いので決して決して無理はしないようにしましょう。
蓮華座を組む前には、足先から股関節までの下半身全体を入念にゆるめてからにしましょう。全てが十分に緩んでいると、驚くほど楽に蓮華座を組めます。
ゆるめる場所:
太ももの後ろ(ハムストリング)
前(大腿四頭筋)
股関節周り。
太ももの内側(内転筋群)
外側(外転筋)
お尻周り(臀筋)
足首
準備のためのポーズ
それぞれの部位から1つ2つ選んで組み合わせてやってみてください。
足首:
胡坐(安楽座)で、右足首の下を右手で支えて、右足の指と左手の指を絡ませ足首をゆっくりと大きくグルグルと時計回り、半時計周りにそれぞれ10回ずつ回します。手を使わず足首をグルグルと回す。立った姿勢でつま先立ち、かかとをつけると繰り返す。
準備ポーズ:正座、英雄、半分のカエル、花輪
*正座、英雄、半分のカエルの全てのポーズにおいて、しっかりと足指先を広げ、足指を床に押し付けること。足首に不自然な捻(ひね)りがないようにすること。
太もも前:
ヨガブロックを仙骨の下に敷いて休む、三日月、トカゲ、一本足の下向き犬、キングアーサー、英雄
太もも後ろと内側:
立ち居の開脚前屈、花輪、
太もも内側と外側とお尻と股関節:
鳩、針穴、仰向けのゆりかごねじった三角のポーズ、
股関節:
鳩、頭を膝につける、ねじった頭を膝につける、ハッピーベービー、ハーフハッピーベービー
シークエンスの一例
仰向けで
片方ずつ膝を胸に抱える。
仰向けの合せきのポーズ
ハッピーベービー
針穴
ハーフロータス
仰向けのゆりかご
足を深く組んでツイスト
ハーフロータス
立ち居
太陽礼拝A
ローランジ
ローランジから右手で左足をつかんでツイスト
とかげ
鳩
半分のカエル
ダウンドッグ
一本足のダウンドッグ
前屈
立ち居で半分の薪のポーズ
ねじった三角のポーズ
開脚前屈
座位
合せき
頭を膝につける
薪のポーズ
開脚前屈
蓮華座
いよいよ蓮華座のポーズです
- 杖のポーズ:両足をまっすぐ前に伸ばします。
- 右ひざを深く曲げて膝を抱えます。(この時に、まだ膝を外側に向けないようにします。)
- 膝を十分に曲げたまま、股関節を回転させる意識を持ちながら、膝を外側に外転させます。
- 左手で右足の外側をつかみ、右手は下から右脛を支えます。
- ゆっくりと股関節をさらに回転させながら右足を左の太もも股関節近くに置きます。ハーフロータス。右足指をしっかり開いて小指を強く太ももに押し付けます。(これで足が鎌状になるのを防ぐ。)
- 余裕があれば、左足も同様にしてフル・ロータスにします。
- 膝が床から浮いているようなら、膝の下にブロックやブランケットを入れます。
今回使った体の部位の英単語
Hamstring ハムストリング
Quad 大腿四頭筋
Hip Flexor 股関節屈筋
Hip joint 股関節
Adductor 内転筋
Abductor 外転筋
Glutes 臀筋
Ankle 足首
村松ホーバン由美子:日本ヨガメディカル協会公認講師&WEB編集責任者
E-RYT500、C-IAYT(国際ヨガセラピスト協会認定セラピスト)、介護予防指導士、米国シニアヨガ指導士、ムーブメントセラピー指導者、ORIGINAL STRENGHTH認定プロフェッショナル、日英通訳翻訳。埼玉県在住。
【担当講座】「解剖学② ヨガセラピー✖筋膜」「ヨガ✖ポリヴェーガル理論✖自律神経」「様々なポーズの軽減法」