ヨガは体を動かすだけでなく、呼吸法や瞑想を通して心身を整えることができます。この記事では、シニアヨガ(高齢者ヨガ)の効果を医学的な視点や実践例とともにわかりやすく解説します。

まずは、一般的なヨガとシニアヨガの違いを見てみましょう。

一般的なヨガでは、「ポーズに体を合わせる」ことが重視されます。ヨガにはさまざまなポーズがあり、足・骨盤・腕の位置や高さなどに一定の基準があるため、体をその形に近づけることを目指します。そのため、柔軟性の高さやポーズの美しさが注目されやすい傾向があります。

一方で、シニアヨガやメディカルヨガ(セラピーとしてのヨガ)では、「ポーズを体に合わせる」ことが基本です。骨格や柔軟性、関節の可動域など、人それぞれの体の個性を尊重し、椅子やベルト、ブロックなどの補助具を使いながら最適な形に調整します。大切にするのは、見た目の美しさではなく、気持ち良さや安心感といった内側の感覚です。

シニアヨガの主な効果

身体的な効果:柔軟性・筋力・バランスの改善

シニアヨガでは無理のない範囲で関節を動かしながら、筋力や柔軟性を高めます。特に下肢の筋力や体幹の安定性が向上し、転倒予防にもつながります。

  • 関節の可動域の維持
  • 筋力低下の予防
  • 姿勢の改善

:週2回、10週間のヨガプログラムで高齢者のバランス能力が向上したという研究報告もあります。

メンタル面の効果:ストレス・不安・睡眠の改善

呼吸法や瞑想を取り入れたヨガは、副交感神経を優位にし、心を落ち着ける効果があります。

  • ストレスホルモンの減少
  • 気分の安定
  • 睡眠の質の向上

特に高齢者に多い不眠や孤独感にも良い影響があるといわれています。

生活の質(QOL)の向上

高齢者ヨガは身体的な健康だけでなく、仲間との交流や心の安定といった心理社会的な面にも良い影響を与えます。クラスに参加することで自然な会話や笑顔が生まれ、社会的なつながりの回復にもつながります。

私のクラスでは、クラスの前後に少し長めの時間を設け、参加者の皆さんがおしゃべりを楽しめるようにしています。こうした交流が、生活の質(QOL)の向上に大きく役立っています。

参加者の声をいくつかご紹介します:

  • 「めまいが改善され、病院の先生に驚かれました」
  • 「ヨガの翌日に検診に行くと血糖値が下がっていて、先生にこのまま続けなさいと言われました」
  • 「便秘が治り、毎日快適に過ごせます」
  • 「肩凝りがなくなり、夜ぐっすり眠れるようになりました」
  • 「ヨガに来ると気持ちが落ち着きます」

エビデンスと専門家の意見

  • アメリカ国立衛生研究所(NIH)の報告では、ヨガが高齢者のバランス機能やストレス低減に効果があるとされています。
  • 日本の介護施設でも「椅子ヨガ」や「呼吸法」が導入され、リハビリの一環として活用されています。当協会にも介護施設で働いている方が、施設へのヨガ導入のために受講される方が多くいらっしゃいます。ヨガが他のストレッチ運動より優れていると思う点は、必ず呼吸と一緒に動くことです。ゆっくりと動きながら、ゆったりとした呼吸を続けることによって、心身がLリラックスし、痛みなどの軽減にもつながることが多くの研究で報告されています。

シニアにおすすめのヨガポーズ

  • 椅子ヨガ:椅子に座ったまま行うヨガや呼吸法。立位のポーズでも床に手をつくのではなく、椅子に手をつくことで安全で誰でも取り組みやすいです。
  • 壁を使ったポーズ:バランスに自信のない方でも安心して行うことができます。

シニアがヨガを始める際の注意点

  1. 持病がある場合は、まずは主治医に相談する
  2. 痛みや強い疲労感があるときは無理せず休む
  3. 椅子や壁を使い、安全な環境で行う
  4. 水補給を頻繁に
  5. 痛みが出るポーズは無理にやらない
  6. 人と較べない
  7. 気持ちが良いと感じる範囲で動かす

よくある質問(FAQ)

Q1. 体が硬くてもヨガはできますか?
A. できます。高齢者向けヨガは無理のないポーズが中心で、体の柔らかさは関係ありません。むしろ硬い方ほど、適度に体をほぐしますので、おすすめです。

Q2.運動経験がなくてもヨガはできますか?

A.できます。運動経験のあるなし、運動神経のよしあしは関係ありません。

Q3. どれくらいの頻度で行えば効果がありますか?
A. 週1〜2回を継続することで、筋力やバランス感覚の向上が期待できます。

Q4. 認知症予防に役立ちますか?
A. 有酸素運動と組み合わせることで、脳血流の改善や認知機能維持に効果があるといわれています。

Q5.持病がありますがヨガはできますか?

A.持病にも配慮してヨガを行いますので、多くの場合問題ございませんが、念のため医師の許可を取ってください。

Q6.股関節の置換手術を受けていますが、ヨガはできますか?

A.協会のシニアヨガ指導者養成講座では、様々な体の状態に合わせたヨガの指導法を学びますので、対応可能ですが、他のシニアヨガ資格を持っている方は、対応方法を学んでいるかと思います。念のため参加するクラスのインストラクターに事前に伝えてください。他の持病や過去の怪我手術に関しても、事前にインストラクターに事前に知らせることをお薦めします。安心安全にヨガのクラスを受講できるでしょう。

Q7. ヨガで痩せますか?

A. たとえばマインドフルにヨガを行う(つまりヨガの動きと呼吸に集中しながら行う)ことによって、自分の体の内側感覚により気づきやすくなり、食事をする際にゆっくりと一口一口味わいながら食べる習慣がつくことで、より少ない食事量でも満腹感を味わえるようになり、結果的に痩せることはありますが、ヨガを運動として捉えた場合には、痩せることは期待できないでしょう。

まとめ

高齢者ヨガは、身体・メンタル・生活の質を総合的にサポートする安全で効果的な方法です。転倒予防やストレス軽減、仲間づくりにもつながるため、健康寿命の延伸に役立ちます。

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文責:Yumiko M.H.